3年間、隔週で通った上野の絵画教室を9月でやめた。いつものように上野に向かう東海道線の中で、突然決心した。10月からの後期の継続届もすでに出していたが、キャンセルした。

大学を卒業したら、日々のあれこれに流されて絵を描かなくなってしまうのではないか?という危機感と、大学でもお世話になった先生がここで講師をしていたので受講していたのだが、それらの理由がなくなったからだ。
卒業後も、同期とのグループ展を定期的に開催することになった(今も締め切りに追われている)。つまり、作品を作る理由はこれからも続く。そして先生。別の街で先生個人が主催されている会があり、そこはクルマで行ける。そちらのほうが自由度が高く、アットホームなので、先生に教わりたければそっちに行けばいい。これまでも何度か行っているが、平日なので仕事を休める時限定なのが仕方ないのだけれど、営利団体の上野の教室より雰囲気がいいことも気に入っている。

先生と私は絵の話はもちろんだけれど、よくクルマやバイクの話をする。先生は日本画家ではあるけれど何でも描けるし、時々クルマの作品もある。お兄さんが若い頃、故郷でハコスカに乗っていたそうだ。フェアレディZと言えば、やはり丸目のZが強烈に印象に残っていると仰っていた。先生自身も、昔、バイクの絵が描きたくて、ヤマハに直接SRを貸してくれ、と問い合わせたこともあるらしい(実際に借りられて、その作品で賞を取ったんだそうだ)。先生は私がZから荷物を下ろしているのを目撃したことがあるので、私のZを実際に知る数少ないうちの一人でもある。「Zには頑張っても30号(パネルサイズ)までしか乗りません~」と言うと「もう軽トラ買っちゃいなよー」と言われる。そんな先生は中古のHONDA フリードをお持ちだ。薄い青のボディのやつ。

先月の上野の教室で、たまたま話が90年代のことになり、私が先生に「昔、ズンドコ鳴る低音スピーカーを積んだ改造ハイエースがたくさん大黒埠頭に集っていたじゃないですか、リアウインドウに天女の絵とかあるやつが」と言うと、先生は「え?知らないよ~、大黒埠頭ってたまにバスで通ったりするだけじゃない?」と仰る。「あそこにPAがあってですね・・・」と、大黒PAで撮影したZの写真やお友達のコペンの写真を見せて「ほらほら、クルマ好きが多いパーキングがあるんですよ」と説明した。そうしたら先生は大黒PAよりお友達のコペンに食いついて「これは何ていうクルマなの!?」と。こんな会話をしているので多分、他の受講生さんたちはドン引きしていたと思うが、先生は続いて「相談があるんだけど」と。

なんでもフリードが中古車ゆえにシートの匂いがなかなか取れないんだとか。お子さんが乗るたびに「くさい」と嫌がるらしい。そんな相談を!今この絵画教室の指導の最中に!!笑。いくら私の席がいちばん奥の端っことは言え、周りの皆さんはさらにドン引きしたに違いない・・・・残念ながら、シートのファブリックのにおい対策に関しては、私も正解を知らない。せいぜいファブリーズするか、上から新しいカバーをするか、プロのお掃除屋さんに頼むくらいしか思いつかないので、それを先生に伝える。Zも中古車だけど元からシートのにおいは気にならないどころか革のいい匂いとすら思う。中古車を買われる皆さんはどうしているのだろうか?私は喫煙時代でも車内では絶対にタバコは吸わなかったし、もっと言えば飲食も基本的にしなかった。というかルーテシアの時はMTだったから運転しながらの飲食は実質無理だった。Zになってからも、長距離の場合は水分補給と飴くらいは口にするが、やはり飲食はしない。芳香剤は苦手なのでアロマオイルをストーンに垂らすこと以外に、特に対策はしていない。唯一におうのは久しぶりのエアコンのつけ始めだが、これは使っているうちに消えるし。

大黒PAの話は、その時代は先生はクルマも持ってなかったそうだし制作に忙しい若い時代だったこともあるだろうし、知らなくても当然なのだけど、「違う世界の話を聞くのすごく面白いよね」と仰ってくれた。確かに藝大院卒の先生と、ただの受講生の私じゃ生きてきた世界が違う。そして、私も本物のアーティストのお話を聞くのすごく楽しいですよ!

自分の好きなことを通じて繋がった縁は一生大事にしていきたい。もちろん、要らん縁もあったが、そういうのは気づいた時点で断ってきた。私は基本的に人見知りだ。初対面の人は第一印象で判断する。それはだいたい間違っていない。人間関係が面倒くさそうな大きなグループからは距離を置く。合わない人や嫌いな奴に費やす時間はもうない。

これまで1か月に少なくとも2度会えた先生に、たまにしか会えなくなるのは寂しいけど、細々と制作活動を続けて行く間は先生に指導をお願いしたいと思っている。自称弟子。

フリードはよく走ってくれるそうだ。ちなみに大きな作品を会場に搬入する際、作家さんによって色々らしい。自分のクルマ(ハイエースとか)で運ぶ人、トラックなどをレンタルする人、赤帽さんなどの業者さんに頼む人。。。うちの会社に出入りしている赤帽さんも美術品を運んでくれるらしいので、そのうちお願いすることもあるかもしれない。何しろZには、ダッシュボードと助手席の背もたれに橋渡しするような感じでやっと30号までしか入らないのだし・・・・(2枚重ねれば合計60号、3枚重ねれば90号まで行けるかも)ルーテシアはリアシートを使えるからもう少し大きいのも入ったけど。でも絵を運ぶために買ったんじゃないからこれでいいのだ。

「師匠からの相談」に2件のコメントがあります
  1. 先生が食いついてくれて嬉しいです。
    コペンはクローズにすれば、荷物もけっこう入る(機内持ち込み2個とか)し。
    社内クリーニングはこんなのがありますよ
    https://youtu.be/lUwUROeE_sE?feature=shared
    手軽にやるなら、カーケミカルですかね。

    中古車はエアコン回させて貰ったりとはしますが、それなりのお店で買えば車内クリーニングはしてくれるかと。

    1. リーパーさん
      おはようございます。そうなんですよ、軽自動車だってことも「えー!信じられない!」と感嘆しておりました。
      リーパーさんのコペン、カッコ良かったですもんね。
      クリーニング情報ありがとうございます!先生にも情報を教えてあげたいと思います。

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